フジテレビを一時代築いた人物として知られる日枝久さん。
「フジテレビの天皇」と呼ばれたその存在感は、今でも業界に大きな影響力を持っています。
そんな日枝久さんの学歴や経歴について改めて振り返りつつ、
現在の活動やフジテレビとの関係を深掘りしていきます。
日枝久のプロフィール

- 名前:日枝 久(ひえだ ひさし)
- 生年月日:1937年12月31日(2025年現在87歳)
- 出身地:東京都
- 家族構成:妻、長男(日枝広道)
- 実家:岡山県の名家
岡山県にルーツを持つ家系で、
地方局・岡山放送株式会社の取締役相談役も務めています。
メディア業界だけでなく地方経済にも一定の影響を持つ存在です。
日枝久の学歴
実は日枝さん、当初は教師を目指していたといいます。
しかし、ある日、大学のイチョウ並木でベンチに座っていたところ、
通りがかった教授からこう声をかけられたそうです。
「今、フジテレビという新しいテレビ局ができた。君みたいな人材が必要だ。」
この一言が日枝さんの運命を大きく変えました。
テレビという未開の世界に挑戦したい。
そんな思いからフジテレビ入社を決意。
この選択が後のフジテレビ黄金期へとつながっていきます。
日枝久の経歴
日枝さんが入社した当時のフジテレビはまだ発展途上のテレビ局。
日本の高度経済成長期とともにテレビ業界も急成長を遂げていました。
その中で、日枝さんは編成や営業、経営部門で頭角を現し、数々のヒット番組を支えました。
2001年にはフジ・メディア・ホールディングスの会長に就任。
以来、「フジテレビの天皇」と呼ばれるほどの影響力を持つ存在へと成長しました。
日枝久のフジテレビの天皇と呼ばれる3選
日枝久さんが“天皇”と称される理由3選は、
① 強力なトップダウン体制
特に「月9ドラマ枠」など人気番組の編成でヒットを連発し、「視聴率三冠王」に貢献しました。
通常、テレビ局では現場スタッフやプロデューサーの裁量も重視されるものですが、
日枝さんは自らが編成や制作方針に深く関わられる体制を築きました。
これが「トップダウン体制」と呼ばれるゆえんだそうです。
② 社内人事や編成への深い関与
人事権を掌握していたことも「天皇」と呼ばれる所以。
例えば「ゴールデン枠」「月9枠」などの主力番組は必ず上層部チェックが入り、
最終的に 日枝さんの意向が通るとまで言われていたようです。
そんな風に意向が通るということは日枝さんがとても実力があるということですね。
③ 政財界との太いパイプ
特に 自民党政権との関係が深いことで知られています。
経団連や電通などの広告代理店とも太いパイプを築き、
「フジサンケイグループ」の重鎮としてテレビ局を超えた影響力を持っていたのです。
ライブドア事件(2005年)の際にもこの人脈を駆使し、
堀江貴文氏によるフジテレビ買収騒動を退けたのは 日枝氏の政治力があってこそと言われています。
また、岡山放送株式会社の取締役相談役も兼務しており、
地元経済との結びつき深いとのことです。
フジテレビを引退しない理由
広告主離れや視聴率低迷が続く中で、なぜ日枝久さんは今もフジテレビに関わり続けているのでしょうか。
確かに「世代交代を進めるべきだ」という声は根強くありますが、
単純に「権力欲」だけで残っているわけではありません。
その背景には、長年にわたってフジテレビを支えてきた実績と、
組織の安定性を維持するために求められている役割があります。
保守的な社内体質の“裏側”
フジテレビはもともとサンケイグループ(産経新聞系)を母体とする組織であり、
“長く勤めた者が重んじられる”という日本的な企業文化が根付いています。
その中で長年の実績を積み上げた重鎮を急に排除するのは、
組織としての安定性を欠く行為とも言えるでしょう。
特にフジテレビのような大規模メディア企業は政治的・経済的な影響も大きく、
慎重な運営が求められるなかもしれません。
既得権益の維持=“守り手”としての存在
一般的に「既得権益の維持」と言われるとマイナスな印象がありますが、
日枝久さんの場合はむしろ
“これまで築き上げてきたブランドやネットワークを守る”という側面が強いといえます。
とりわけフジ・メディア・ホールディングス全体を安定させるためのバランス役として機能しており、
政治家や財界とのつながりを活かし局内外の信頼関係を維持する役割を担っているとも見られています。
“求心力”の意味=急激な変化を防ぐ存在
「求心力」と聞くと社内支配のように思えますが、
実際には“組織の結束を保つ役割”として機能している側面があります。
広告主離れや視聴率低迷が続く状況では、
急激なトップ交代がさらなる混乱を招くリスクもあるため、
経験豊富な人物が“緩衝材”として組織に残るのは合理的な判断ともいえるのかもしれません。
まとめ
日枝久さんは早稲田大学教育学部卒という学歴を持ち、
当初は教師志望という意外な過去を持っていました。
教授の一言からテレビ業界に飛び込み、
フジテレビ黄金期を支えた立役者です。
フジテレビが衰退する中でもなお残り続ける理由は、
これまで築き上げた社内での信頼と実績によるものでしょう。
「フジテレビの天皇」と呼ばれた方が、
これからもどのようにテレビ界に影響を与えるのか
その動向に注目が集まります。
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