シンガー・ソングライター宇多田ヒカルが5月2日に配信リリースした新曲「Mine or Yours」。
日常のささやかな情景を描いたこの楽曲が、意外な形で注目を集めています。
歌詞の中に、日本での「夫婦別姓」の実現について言及する一節が盛り込まれているのが理由です。
その一言がSNSを中心に大きな波紋を呼び、政治家や市民団体までも巻き込んだ議論が起きています。
今回は宇多田ヒカルの新曲「Mine or Yours」についての反応をお伝えします。
宇多田ヒカルの音楽に対する思い

宇多田さんの音楽は、R&Bやポップスを基調としながらも、
ジャンルにとらわれない独自のスタイルで進化を続けています。
2007年のシングル「Flavor Of Life」は、当時のデジタルシングルのセールスにおいて世界1位を記録しました 。
2016年の復帰作『Fantôme』や、2022年のアルバム『BADモード』は、国内外で高い評価を受け、
彼女の音楽的成熟を示されています。
自己探求と創作の背景
また宇多田さんは、音楽を通じて自己探求を続けています。
彼女にとって、音楽を創ることは「自分とは何かを知ろうとする」行為であり、
その過程でリスナーにも深い共感を与えています 。
また、精神分析やカウンセリングを通じて、自身の内面と向き合い、その経験が楽曲制作にも反映されています 。
曲を生む出すために精神分析やカウンセリングを受けられていたとは知りませんでした。
宇多田ヒカルの新曲「Mine or Yours」社会の反応は?
宇多田ヒカルの新曲「Mine or Yours」には、
「どの道を選んでも、選ばなかった道への未練や寂しさがつきまとう」
といった感情を繊細に表現したフレーズが並ぶ。
まるで一人の人物の心のつぶやきを覗き見しているような感覚を抱かせる中で、
突然、「この国で夫婦別姓が認められるのはいつなのか」という言葉が現れる。
社会的制度への疑問が、個人の選択とともに語られているようです。
このフレーズは、制度に対する明確な主張というよりも、
決して押しつけがましくなく、かえって多くの人の心に響いたのかもしれません。
政治家や活動家も反応
この歌詞は瞬く間にSNSで拡散され、政治家も反応を示した。
東京港区議会議員の斎木陽平氏はX(旧Twitter)で、
と驚きを示しつつ、「ほんとにねっ!!」と共感を表明。
さらに、共産党の吉良佳子参院議員も
と投稿し、話題を広げた。
選択的夫婦別姓の実現を目指す一般社団法人「あすには」の井田奈穂代表理事も、
とコメントし、「令和7年でOKにできるよう全力で実現を目指しています」と決意を新たにされました。
賛否が渦巻くSNSの声
一方、X(旧Twitter)ではファンや一般リスナーの間でさまざまな反応が見られました。
- 「社会的なテーマに踏み込んでくれてうれしい」
- 「こういう問題こそ、影響力のある人が発信してほしい」
という称賛の声がある一方で、
- 「ちょっと政治色が強すぎる」
- 「彼女には中立でいてほしかった」
といった否定的な意見も。
また、「政治的意見というより、生活の一部として自然に感じてることなのでは?」という冷静な声も多く、
意見は多様ですね。
プロフィールとデビューの衝撃

宇多田ヒカルさんは、
- 1983年1月19日、ニューヨークで生まれた
- 10代で音楽活動を開始
- 1998年12月9日、15歳でリリースしたデビューシングル「Automatic / time will tell」はダブルミリオンを記録
- 翌年のファーストアルバム『First Love』は、累計売上枚数が日本国内で歴代1位となる765万枚を超える大ヒットとなる
表現の幅を広げた宇多田ヒカル
1998年のデビュー以来、宇多田ヒカルは恋愛や孤独、再生といった個人的なテーマを深く掘り下げてきました。
そんな彼女が、家族制度や社会制度にまで視野を広げた今作には、アーティストとしての成長や変化がうかがえます。
海外での生活経験、子育て、人生の浮き沈みを経験され、今回のような歌詞を生んだのでしょうか。
それでも、メッセージはあくまで静かで、生活の中に溶け込むようなトーンで語られている点に、
宇多田さんらしさを感じます。
まとめ
宇多田ヒカルの新曲「Mine or Yours」は、個人の選択や日常の機微を描く中で、
現代社会の制度にも静かに問いを投げかける作品でした。
夫婦別姓というテーマに触れた歌詞は、政治的とも受け取られ、SNS上では賛否が分かれたものの、
多くの人々に「自分ごと」として考えるきっかけを与えてもらえたのではないでしょうか。
音楽という枠を超え、リスナーの意識に波紋を広げる宇多田ヒカルさんの表現力は、
今後も注目され続けることと思います。
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